中小企業における人材投資促進税制の拡充
税理士 加藤
平成20年度税制改正において、人材投資を継続的に増加させることが困難な中小企業について、教育訓練費の増減に関わらず、教育訓練費の総額に対して一定割合の税額控除ができる制度が拡充されました。そこで、拡充された人材投資促進税制(教育訓練費に係る税額控除制度の見直し)について、その概要をお伝えします。
1 税制改正の概要
中小企業(一定の要件を満たした中小企業者)について、適用事業年度の教育訓練費割合(労務費に占める教育訓練費の割合)が0.15%以上の場合には、教育訓練費の総額の8%〜12%が税額控除できるように改正されました。
2 適用対象年度
平成20年4月1日から平成21年3月31日までの間に開始する各事業年度において適用できます。
3 税額控除限度額
教育訓練費に対する税額控除限度額は、次により計算した金額となります。
4 労務費の範囲
教育訓練費割合の算定に必要な労務費の額は、①給与等(使用人に対して支給するもの)②法定福利費(事業主が負担する健康保険料等)及び③教育訓練費(職務に必要な技術や知識を習得または向上させるための一定の費用)の合計額をいいます。
今回の改正で人材投資促進税制の利用機会が増加するものと予想されます。外部研修等への積極的な参加による人材の育成と教育訓練費割合のシミュレーションを踏まえた税額控除メリットを検討していただければと思います。