新年のご挨拶
謹んで新年のお慶びを申し上げます
2019年1月1日
1.昨年の世界の政治・経済は、6月の史上初の「米朝首脳会談」開催や米国中間選挙で、民主党が下院を奪還、また、11月にはEU首脳会議での「英国離脱案合意」など、今後の世界経済に大きな影響を与える出来事が相次ぎました。一方、2月の平昌冬季五輪や6月のサッカーW杯などでの日本選手の活躍が目立つ1年でもありました。また、日本国内においては、森友学園を巡る財務省決裁文書改竄問題や、日産自動車のカルロス・ゴーン会長の逮捕など、多方面で「ガバナンス」の欠如が問題にされました。また、その年を代表する漢字として「災」が選ばれたように、異常気象が原因と思われる各地での風水害や大阪・北海道での地震が相次いで発生し、各地に大きな被害をもたらしました。
高齢化に伴う労働人口の減少がさらに進む中、多くの企業が「AI」の進歩と「働き方改革」の両立を目指す中で、「平成」が終わり、新たな時代を迎えようとしています。
2. 昨年12月中旬に発表された2019年度予算案においても、消費税増税に対する景気の安定を最優先とし、初めて一般会計の総額が100兆円を超え、101兆4564億円となりました。少子化と高齢化の人口現象の中で、医療・年金・介護等の社会保障費はさらに増大し(前年比3.2%増の34兆587億円)、預金保険機構から8,000億円を繰入れるなど「埋蔵金」を吐き出すと共に、税収入不足分は、依然として国債発行等に依存せざるを得ない状況が続いています。また、プライマリーバランスは改善の兆しはあるもの、依然、9兆円を超える赤字となっており、国債及び地方債の総残高は、約1,100兆円、国民1人あたり約850万円にもなり、後世代に引き継がれるに至っています。政府によれば、消費税増税に伴う家計の直接的な負担増は約5.7兆円、また昨年度実施のたばこ税の見直しなどによる負担増が0.6兆円と併せて6.3兆円の負担増。これに対して、軽減税率効果(1.1兆円)と教育費無償化(2.8兆円)など合計で4.3兆円などが家計に還元される分を差し引くと約2兆円が実質的な家計の負担増になるとされています。
3. 歳出を税収で賄えない状況が続く中で、昨年12月に発表された平成31 年度の税制改正大綱では、今年の消費税増税を前提とした各種の施策が新たに設けられています。特に家計の消費の下支えとなるように、車体課税の抜本的見直しと住宅ローン減税により単年度では1,670億円の減税となります。法人税においては、「研究開発税制」が改組され、税額控除の上限がこれまでの5%から10%に引き上げられています。また、仮装通貨の評価方法の規定など実態経済へ一定の配慮をした制度が新設されました。さらに、中小企業、特に個人事業主の事業承継を促すために、10年間限定で「納税猶予」の制度が新設されました。一方、個人向けにはこれまでの制度の延長に当たる制度が中心となりました。住宅ローン減税はこれまでの10年間から13年間へと延長されることとなります。また、教育資金贈与の非課税措置も延長されることとなりますが、受け取る側の子・孫の合計所得金額が1,000万円を超える場合は対象から外すなど対象が限定されることとなります。
4.上述の国内外の社会・経済現象の変動の中にあって、髙野総合グループは、法人・個人のお客様の立場に立った、タイムリーかつ、適切なアドバイスを実践し、ご期待に応える体制を一層強化、拡充して参ります。現在、コーポレート部門・個人資産部門・FAS部門の3部門で85名超の税理士・公認会計士・スタッフが在籍しており、税務・会計・コンサルの専門家集団として、また、別掲の国税OB等の顧問団とも適宜協議するとともに、弁護士、不動産鑑定士、司法書士、社会保険労務士等の専門家とも機動的に横断的にチームワークを組み、「お客様本位」の視点から、法人・個人のお客様の各種課題や、多種多様なご要望等に「ワンストップ」でお応えする「総合会計事務所・コンサルタント集団」を目指しております。
5.現在、髙野総合グループは、法人・個人の決算申告関連業務をはじめ、再生やM&Aなどのコンサルティング業務、相続や事業承継の対策業務、海外関連税務、各種バリュエーション業務、不正調査・損害査定業務など、会社規模・法人・個人を問わず多くのご相談に「3部門一体での専門性と柔軟性を両立」し対処しております。とりわけ、社会問題化している経営者の高齢化に伴う後継者選定(親族内、親族外)とそれに伴う新体制構築・財産移管問題や、外部市場獲得に向けた企業の海外進出に伴う海外税務(特に移転価格問題)対応については、その解決に向けて専門的かつ横断的な検討考察を必要とするため、プロジェクトごとに上記3部門から横断的なチームを組成し対処するなど、髙野総合グループの総合力が最も発揮できるサービス業務であります。
税理士法人髙野総合会計事務所、髙野総合コンサルティング株式会社、監査法人TSKから成る髙野総合グループは、東京・日本橋を主要拠点とし、千葉に事務所を設けるほか、札幌・仙台・名古屋・大阪の有力中堅会計事務所と業務提携を結び、全国的ネットワークによりお客様のご期待に迅速にお応えする体制も整備しております。
また、海外130ヶ国以上の会計事務所を統括し、英国に本部のある国際メンバーファームHLB Internationalとも連携、さらに、国際税務の経験豊富なメンバーを新たに加え、インバウンド、アウトバウンド双方の海外関連税務とIFRSのご相談について精力的に業務を行っています。本年も髙野総合グループの経営理念である「信頼・信用・信義」の旗の下、持てる総合的ノウハウを結集し、職員一丸となって皆様のご繁栄に少しでも貢献できるよう誠心・誠意努める所存です。是非お気軽にご相談ください。本年も引続きのご指導、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。