新年のご挨拶
謹んで新年のご挨拶を申し上げます
2021年1月
1.昨年の振り返り
昨年は、中国 武漢に端を発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19 以下コロナとします)に始まり、コロナに終わった1年となってしまいました。
アメリカの著名な調査機関である、「JOHNS HOPKINS大学」の調査によれば、12月21日時点で、世界の191か国で約76百万人の罹患者が発生し、約1.7百万人の死者がでています。日本国内では「第3波」の流行が発生していると言われており、欧州では「ウイルスの変異型」が発生しているとの報道もあります。
一方で、欧米を中心として、「コロナ対策のワクチン」の開発及び一部、接種が開始されており、全世界が一刻も早いコロナ収束に向けた活動を急ピッチで行っている真っ最中です。
世界経済は2020年4月から6月では主要34か国(全世界のGDPの約80%をカバーしている)の実質GDPは世界金融危機時を上回る▲7.5%の減少幅となりました。その後7月以降は持ち直しつつありますが、先行きは不透明な状況です。
2. 日本経済への影響
昨年4月、5月と我が国において、コロナのため、「緊急事態宣言」が発令され、飲食業や音楽関係、テナントからの賃料収入を基本的な収入とする不動産賃貸業、観光業、小売業など幅広い業種で大きな影響を受けました。2020年4月から6月の実質GDPの成長率は▲8.2%(年率28.8%)と1980年以降最大のマイナス成長となった。国内での活動自粛と海外との人の行き来が途絶えインバウンド需要が消滅したことが大きな原因です。
昨年12月21日に閣議決定された2021年度予算案においても、コロナ過去最大の一般会計が総額で106兆6千億円と3年連続で100兆円を超えることとなりました。これは高齢化に伴い、「社会保障費」が今年度より1500億円増加して過去最大の35兆8千億円となったこと、また、「防衛費」も今年度よりも600億円増加して、こちらも過去最大の5兆3千億円となったこと、さらに、コロナ対策のために、国会の承認を経ずして利用できる「予備費」が5兆円計上されたことが主な要因です。一方、財源となる税収は、コロナによる業績悪化等の税収不足を見込み今年度の当初見込みより6兆6百億円少ない57兆4千億円を見込んでいます。また、新規国債発行額は赤字国債が37兆2千億円、建設国債6兆3千億円の合計43兆6千億円に上っています。
そのため、歳入全体に占める国債の割合は40.9%に上り、そのため、プライマリーバランスは、約20兆円の赤字で、ますます不健全な財政状態になってきております。
3. 2021年度税制改正大綱の特徴
歳出を税収で賄えない状況が続く中で、昨年12月に発表された2021年度の税制改正大綱では、「ウイズコロナ・ポストコロナの経済再生」とコロナを受けてのテレワーク推進などをはじめとした「デジタル社会の実現」、今後の環境問題に対処する「グリーン社会の実現」、「中小企業の支援、地方創生」などに主眼が置かれています。
法人税においては、「企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進する措置等」が新設され、ウイズコロナ・ポストコロナに対応する事業構築を直ちに進めるため、デジタル技術を活用した企業変革(DX)が重要とし、産業競争力強化法に基づき、クラウド型システムを対象とする税制措置が創設されます。
さらに厳しい経営環境下でも企業が積極的に事業再構築・再編に臨んでいくことを支援するため、コロナ禍による欠損金について一定期間に限り、一定の期間内で最大100%までの控除を可能とする臨時異例の措置をこうずることとされました。
加えて、産業構造の変革を推進する目的で、企業の競争力の維持強化を図る観点から、自社株式を対価として対象会社株主から対象会社株式を取得するM&Aについて、対象会社株主の譲渡損益に対する課税の繰延措置をこうずることとされました。
一方、個人向けには、コロナ禍の影響が先行き不透明なことから、内需の柱である住宅投資を幅広なものとするため、昨年の消費税増税時に導入された住宅ローンの控除期間13年間の特例を延長することとされました。
4.本年、髙野総合グループが目指すもの
こうした先行き不透明な経済環境の下、髙野総合グループは、法人・個人のお客様の立場に立った、タイムリーかつ、適切なアドバイスを実践し、本年もご期待に応える体制を一層強化、拡充して参ります。現在、コーポレート部門・個人資産部門・FAS部門の3部門で90名近くの税理士・公認会計士・スタッフが在籍しており、税務・会計・コンサルの専門家集団として、また、当ホームページ内で別掲の各分野出身の国税OB等の顧問団とも適宜協議するとともに、弁護士、不動産鑑定士、司法書士、社会保険労務士等の専門家とも機動的に「横断的にチームワーク」を組み、「お客様本位」の視点から、法人・個人のお客様の各種課題や、多種多様なご要望等に「ワンストップ」でお応えする「総合会計事務所・コンサルタント集団」を目指しております。
5.国内外のネットワークと髙野総合グループの経営理念
昨年、髙野総合グループは、創業45周年、税理士法人化10周年を迎えました。記念事業の一環としてFAS部門から「非上場株式評価実務」(中央経済社刊)を、また、コーポレート部門からは「会社解散・清算の税務と会計(第4版)」(税務研究会出版局刊)をそれぞれ上梓しました。更に本年2月には個人資産部門から「税理士のための個人・法人間の借地権課税-はじめの一歩-」(税務経理協会刊)が出版予定です。
本年は、さらにより多くのお客様のニーズにお応えするため、法人・個人の決算申告関連業務をはじめ、再生やM&Aなどのコンサルティング業務、相続や事業承継の対策業務、海外関連税務、各種バリュエーション業務、不正調査・損害査定業務など、会社規模・法人・個人を問わず多くのご相談に「3部門一体での専門性と柔軟性を両立」し対処して参ります。とりわけ、今後、顕在化してくると思われるコロナによる業績への悪影響を受けている「法人・個人の再生支援」、社会問題化している「経営者の高齢化に伴う後継者選定(親族内、親族外)」とそれに伴う新体制構築・財産移管問題や、外部市場獲得に向けた企業の海外進出に伴う海外税務(特に移転価格問題)対応については、その解決に向けて専門的かつ横断的な検討考察を必要とするため、プロジェクトごとに上記3部門から横断的なチームを組成し対処するなど、髙野総合グループの総合力が最も発揮できるサービス業務であります。
税理士法人髙野総合会計事務所、髙野総合コンサルティング株式会社、監査法人TSKから成る髙野総合グループは、東京・日本橋を主要拠点とし、千葉事務所のほか、札幌・仙台・名古屋・大阪の有力中堅会計事務所と業務提携を結び、全国的ネットワークによりお客様のご期待に迅速にお応えする体制も整備しております。
また、海外130ヶ国以上の会計事務所を統括し、英国に本部のある国際メンバーファームHLB Internationalとも連携、さらに、国際税務の経験豊富なメンバーを新たに加え、インバウンド、アウトバウンド双方の海外関連税務とIFRSのご相談について精力的に業務を行っています。
本年も髙野総合グループの経営理念である「信頼・信用・信義」の旗の下、持てる総合的ノウハウを結集し、役職員一丸となって、皆様のご繁栄に少しでも貢献できるよう誠心・誠意努める所存です。是非お気軽にご相談ください。本年も引続きのご指導、ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。