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TSKニュース&トピックス

平成17年10月号

会社法が中小会社の実務に与える影響

平成16年12月に法制審議会会社法部会から「会社法制の現代化に関する要綱案」を提出、平成17年3月には法務省から国会に「会社法案」及び「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」を提出され、平成17年6月29日、国会において「会社法」が「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」ともに成立しました。

今回成立した会社法は会社法制全体に及び、多岐に亘る大改正であるため、中小会社の実務に 与える影響はきわめて大きいものと考えられています。特に、株式会社制度と有限会社制度の統合、中小会社における機関設計、会計参与制度の導入、取締役及 び監査役の任期及び員数、最低資本金制度の撤廃等は、従来の商法について抜本的な見直しが図られています。

1.有限会社制度の廃止

平 成18年の会社法施行後、新しく設立される会社については有限会社形態は認められなくなりました。既存の有限会社については、経過措置により特例有限会社 として存続することになり、従来の制度が適用されることになります。平成18年の新会社法施行前に株式会社に移行する場合、現行法上は、有限会社は一旦解 散し、新たに株式会社を設立することになります。ただし、税法上はその継続性を鑑み、みなし配当課税は行わないことにしています。

2.中小会社の機関設計のバリエーション

新会社法施行後において、中小会社(株式譲渡制限会社)の機関設計は、取締役会を設置しない場合、株主総会と取締役だけで可能となります。これは現行の有 限会社と同じ機関設計となります。なお、取締役会を設置しない場合、各取締役が株式会社の業務執行・代表権を有することになります。また、複数の取締役を 設ける場合には、業務執行の意思決定は取締役の過半数をもって決することになります。

<中小会社の機関設計のバリエーション・イメージ>
(1) 取締役
(2) 取締役と監査役
(3) 取締役と監査役および会計監査人
(4) 取締役会と監査役
(5) 取締役会と監査役会
(6) 取締役会と会計参与
(7) 取締役会と監査役および会計監査人
(8) 取締役会と監査役会および会計監査人
会計参与(取締役等と共同して計算書類を作成する者)については(6)を除き、任意にて追加で設置することができます。

3.中小会社における取締役の員数および任期

現行の商法上は、取締役は3人以上必要でしたが、新会社法において取締役会を設置しない場合には、取締役は1人で足りることになりました。このため、従来 形式上の取締役を置いていた場合、その必要はなくなりました。また、現行商法の取締役、監査役の任期は、それぞれ、原則2年、4年でしたが、定款で最長 10年まで伸長できることになりました。中小会社では取締役や監査役の交代が少なく、株主総会の選任手続や登記手続が必要で、このような事務手続の煩雑さ を回避するため、任期の伸長手続が設けられました。

当事務所においても、クライアント先である中小会社の実務に特に影響が大きい改正点についてピックアップし、貴社における影響度合いについて今後アンケート等によりフォローアップしていきたいと考えております。