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TSKニュース&トピックス

平成20年11月号

年末までに検討すべき税務事項

税理士 横田

早いもので、本年も年末が迫ってまいりました。平成20年度4月に成立した平成20年度の税制改正では、個人所得税に関連しては特に大きな改正はなく、平成 21年度以降に見送られる結果となりました(平成21年度の税制改正大綱については、追ってお知らせさせていただきます)。
例年どおり、年内に間に合う個人の所得税・贈与税関係の税務対策として、一般的な対策事項をピックアップしました。

 

1.所得税に関する検討事項

○株式・不動産の譲渡益対策:株式や不動産の譲渡益が既に発生している場合で、含み損のある株式や不動産をお持ちの場合、それらを譲渡し譲渡損を出すことで、譲渡益と譲渡損の内部通算ができます(但し、同一所得内の通算に限る)。年内での譲渡実行について検討されてみたらいかがでしょうか。

○ ゴルフ会員権の含み損対策:売却可能なゴルフ会員権で含み損がある場合、そのゴルフ会員権の売却損失は、事業所得や給与所得など他の所得と損益通算することができます(但し、ゴルフ場経営法人が破産した場合など損益通算できない場合があります)。含み損がある場合、年内中の譲渡実行を検討されたらいかがでしょうか(年末の平成21年度税制改正には注意が必要です)。

○上場株式等の譲渡所得等に関する課税:上場株式等の譲渡所得に係る税率は、平成20年12月31日をもって10%の軽減税率が廃止され、平成21年度1月1日以降は20%となる予定です(但し2年間は、譲渡所得等の金額のうち500万円以下については、10%の軽減税率が適用)。今一度、保有株式の投資計画について検討してみてはいかがでしょうか(但し、年末の平成21年度税制改正に注意が必要です)。

○小規模企業共済の加入:小規模企業の個人事業主又は会社役員の方が加入でき、共済掛金の全額(年間最高で84万円)が所得控除できます。今からでも年払いの契約をすることで1年分の節税効果が得られます。

○ふるさと納税制度:平成20年度税制改正で創設された税制で、個人の都道府県、市町村に対する寄付金が対象となります(寄付先は特に制限なく、好きな地方公共団体が選択可能です)。住民税の1割を上限に税額控除できます(平成21年度分住民税から適用)。

2.贈与税に関する検討事項

○ 配偶者への居住用財産等の贈与の特例:婚姻期間が20年以上の配偶者(その他一定の条件あり)への居住用の不動産又は購入資金を贈与するときには 2,000万円(基礎控除とを加えて2,110万円)まで配偶者控除が認められています。一生に一度のビックプレゼントを検討されてみたらいかがでしょうか。

○生前贈与の活用:お子様やお孫様への現金、不動産、株式等の贈与は110万円の基礎控除の枠内であれば非課税です(相続税・相続時精算課税制度との選択となります)。計画的な贈与は相続税対策等にも有効な手段なので、ご検討されてはいかがでしょうか。
上記の対策等は、年内中での対応が必要となります。ご質問、ご相談は、お早めに担当税理士までご連絡下さい。