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TSKニュース&トピックス

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平成23年度税制改正速報

佐々木 孝成

6月10日に平成23年度の税制改正法案の一部が国会へ提出され、6月22日に法案が成立し、30日に公布・施行されました。その税制改正の内容の主なものを速報でお送りいたします。また、法人税率の引き下げや相続税率の引き上げなどの法案は継続審議中となっております。なお、ご不明な点は何なりと担当税理士・公認会計士にお問い合わせ下さい。 ※消費税の改正項目については平成23年8月号のTSKニュースに掲載予定です。

Ⅰ 消費税関係

(1)納税義務の判定の見直し

消費税の納税義務の判定に前年度の上半期の課税売上高等も追加されました。(平成25年1月1日以後開始事業年度から適用)

 (2)仕入税額控除の見直し

その課税期間の課税売上高が5億円以上の事業者については、課税売上割合が95%以上の場合の仕入税額控除の計算方法が不適用になりました。(平成24年4月1日以後開始課税期間から適用)

Ⅱ 法人税関係

(1)グループ法人税制の見直し

①完全支配関係のある他の内国法人が清算中である場合で、解散が見込まれる場合等にはその株式等について評価損を計上しないこととされました。(平成23年6月30日以後の評価替えから適用)

②複数の完全支配関係がある大法人に発行済株式等の全部を保有されている資本金の額等が1億円以下の法人については「中小企業者等の軽減税率」「貸倒引当金の法定実効税率」「交際費等の600万円の定額控除」「欠損金の繰戻還付」について適用除外となりました。(平成23年4月1日以後開始事業年度から適用)

(2)仮決算による中間申告の見直し

仮決算により中間申告書に記載すべき金額が前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、これに6を乗じて計算した金額を超える場合には、仮決算による中間申告ができないこととされました。(平成23年4月1日以後開始事業年度から適用)

(3)中小企業者等の法人税率の延長

中小企業者等の法人税率の特例(18%)の適用期限が平成24年3月31日に終了する事業年度まで延長されました。

Ⅲ 所得税関係

(1)年金の申告手続きの見直し

その年分の公的年金等の収入金額が400万円以下で、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であるときは、その年分の所得税について申告不要になりました。(平成23年分の所得税から適用)

(2)還付申告書の提出期間の見直し

申告義務のある者の還付申告書の提出期間が翌年1月1日(現行翌年2月16日)から提出できるようになりました。(平成23年分の所得税から適用)

Ⅳ 相続税・贈与税関係

(1)住宅取得等資金の贈与税の見直し

適用対象となる住宅取得等資金の範囲に住宅の新築に先行してその敷地の用に供される土地等を取得するための資金が追加されました。(平成23年1月1日以後の贈与より適用)。

Ⅴ 証券税制関係

(1)上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る軽減税率措置の延長  

上場株式等の配当所得及び譲渡所得等に対する7%の軽減税率の特例期限が平成25年12月31日まで延長されました。        

(2)上場株式等の配当等の軽減税率が適用できない大口株主等の要件の見直し

配当等の支払を受ける者が保有する株式等の発行済株式等の総数等に占める割合を100分の3以上(現行100分の5以上)に引き下げることとされました。(平成23年10月1日以後に支払をうける配当から適用)