平成25年税制改正大綱発表!!
税理士 水野 文男
【平成25年度税制改正大綱概要】
Ⅰ 法人税関係
(1)中小法人に係る交際費の損金不算入制度の緩和
中小法人の交際費等の損金不算入限度額が800万円(現行、最大600万円)に引き上げられました。
(2)税額控除・特別償却の創設・拡充
国内において使用する生産設備等を取得した場合の特別償却・特別控除の創設、雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除の創設、試験研究費の特別控除の限度額の拡充、雇用促進税制の拡充等が予定されています。
Ⅱ 所得税関係
(1)所得税最高税率の引き上げ
課税所得4,000万円超について45%の税率が設けられることにより、所得金額が4,000万円を超の方は増税となります。(平成27年分所得税より適用)
(2)住宅ローン減税の延長
住宅ローン減税の適用期限が平成29年12月31日までに延長されます。具体的には、以下表の通りです。
ただし、平成26年4月以降の適用金額については、取得する住宅に係る消費税が8%又は10%の場合に限られます。消費税が5%の場合には借入限度額が2,000万円(3,000万円)となります。
(3)金融・証券税制の見直し
①非課税口座の開設期間が平成35年12月31日までに延長されるとともに、非課税対象となる配当等及び譲渡所得の拡充が行われます。
②上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)は、平成25年12月末をもって廃止されます。
Ⅲ 相続税・贈与税関係
(1)相続税の基礎控除の引き下げ
基礎控除の額が従前の6割に引き下げられます。これにより、相続税申告が必要となる方が多くなることが予想されます。
(現行)5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 ⇒(改正案)3,000万円+600万円×法定相続人の数
(2)相続税の最高税率の引き上げ
相続税率が以下の通り見直され、最高税率が50%から55%に引き上げられます。
(3)小規模宅地等の評価減特例の拡充
特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積を330㎡(現行240㎡)までの部分に拡充されます。
(平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税に適用されます)
(4)贈与税の最高税率の引き上げ
贈与税率について以下の通り見直され、最高税率が50%から55%に引き上げられます。
なお、贈与税の基礎控除額(現行110万円)については変更はありません。
(5)教育資金贈与の非課税措置
30歳未満の子、孫に対して教育資金の贈与を行った場合には、一人当たり1,500万円までは非課税とされます。(平成25年4月1日から平成27年12月31日までの贈与に限ります)
(6)相続時精算課税制度の適用要件の緩和
贈与者の年齢要件を60歳以上(現行65歳以上)に引き下げ、受贈者の範囲に20歳以上である孫(現行推定相続人のみ)が追加されます。
(7)事業承継税制の緩和
経営承継相続人要件のうち非上場会社を経営していた被相続人の親族要件の撤廃や、経済産業大臣の事前確認制度の廃止などの要件緩和が行われます。これにより今までよりもスムーズな事業承継が期待されます。
Column
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テーマ : 平成25年税制改正大綱
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