平成26年1月号
交際費の損金不算入制度の緩和について
公認会計士 田中 新也
今回は、交際費の税務上の取り扱いについてご説明いたします。交際費については、消費税増税後の景気落ち込みに備えた接待需要喚起を目的として、平成25年度に引き続き、平成26年度の税制改正大綱でも制度の拡充・延長が図られております。制度の変更点を確認頂いた上で、交際費を費消して頂ければと思います。
1. 交際費の損金不算入制度の趣旨
交際費の損金不算入制度は、交際費の濫費を抑制し、企業の資本蓄積を促進することを目的として、昭和29年度に創設されました。当制度は3年間の時限立法として創設されましたが、時代の流れとともに変更はあるものの、現在まで存続している制度です。平成26年度の税制改正では、交際費に関する企業の税負担を軽減し、飲食店での接待需要の喚起を目的として、一部緩和されました。
2. 平成26年度の税制改正大綱での改正点
主な改正点は下記の通りであり大法人についても交際費等の損金算入が認められることとなりました。
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大法人でも、交際費等の額のうち、飲食のために支出する費用の額(※1)の50%を損金として取り扱うことが認められました。
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中小法人(※2)については、現行の定額控除(800万円)と、上記の「飲食のために支出する費用の額の50%」の選択適用となりました。
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適用期限は2年間の延長(平成26年4月1日から平成28年3月31日までに開始する事業年度に適用)
※1 社内交際費(専らその法人の役員、従業員等に対する接待等のためにする支出)は除く。
※2 期末資本金等の額が1億円以下の法人(期末資本金等の額が5億円以上の法人等の一定の法人による完全支配関係がある子法人は除く)。
交際費の損金不算入制度は緩和の方向で改正が行われましたが、実務上の取り扱いについて判断が伴うこともあるかと思います。不明点があった際には、遠慮なくご相談頂けますと幸いです。
Column
新年明けましておめでとうございます。
2013年は、アベノミクスの効果もあり、日本経済の回復が感じられる1年となりました。本年も、その持続が期待されるところですが、4月の消費税引上げの景気に及ぼす影響が気になるところです。
髙野総合グループは、これまでも税制に関する対応はもちろんのこと、グローバルネットワークであるHLB Internationalへの加盟、経営革新等支援機関の取得を通し、お客様の様々なニーズに応えられるよう走り続けておりますが、本年も全力でお客様の経営、会計、税務のサポートをして参りますので、よろしくお願い申し上げます。
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