居住用宅地の特例の適用要件の緩和
高橋 典子
1. 二世帯住宅の場合の適用要件の緩和
二世帯住宅の建物内部で互いに行き来できる構造でない場合には、一定の要件を満たしたうえで、原則として被相続人の居住用部分のみ居住用宅地に係る小規模宅地等の特例の適用による減額が可能でした。しかし、平成26年1月1日以後の相続からは、内部で行き来ができなくても、同居しているものとして全体が特例の対象となります。
内部で行き来ができない二世帯住宅で、各々独立部分に居住している場合
(注)区分所有登記とは、たとえば1階部分を被相続人所有・2階部分を親族所有として登記することをいいます。敷地の全体に特例の適用するためには区分所有登記ではなく、共有登記をするなど登記の仕方に留意が必要です。
2. 老人ホームに入所した場合の適用要件の緩和
老人ホームに入所したことで生活の拠点も移転したものと考えられ旧自宅の敷地は原則として特例による減額の対象外でした。しかし、平成26年1月1日以後の相続からは要件が緩和され、下記の二つの要件を満たせば特例の適用を受ける事ができるようになりました。
平成27年より相続税の基礎控除の額が従前の6割に引き下げられることもあり、相続に興味関心を抱いている方も多いのではないでしょうか。弊事務所では相続税の試算も行っておりますので、小規模宅地等の適用の可否も含めて、ぜひ担当税理士にご相談ください。
Column
TSK Information
◆弊事務所の公認会計士・税理士 真鍋朝彦 が執筆した「企業財務・会計実務で押さえておきたい生産性向上設備投資促進税制」が「企業会計4月号(中央経済社刊)」のP42に掲載されました。