みなし仕入れの変更の適用事業年度
税理士 伊藤 明弘
みなし仕入れ率の変更
簡易課税制度では、課税売上高に係る消費税に一定の割合(みなし仕入れ率)を乗じた金額を課税売上に係る消費税額から控除して消費税の納税額を計算しますが、簡易課税制度の計算に使用されるみなし仕入れ率が金融業及び保険業については60%から50%に、不動産業については50%から40%に見直されました。
適用事業年度
みなし仕入れ率の変更は、平成27年4月1日以降開始事業年度より適用されますが、簡易課税制度の適用を受けていない事業者が平成26年9月30日までに簡易税制度選択届出書を提出した場合には、簡易課税制度適用後2年間は、改正前のみなし仕入れ率が適用されるので留意が必要になります。
不動産業を営む3月決算法人の適用例
不動産業を営む3月決算法人が新たに簡易課税制度選択届出書を提出する場合の提出日とみなし仕入れ率の適用関係をまとめると下の表のようになります。例えば、平成26年9月25日に、届出書を提出した場合には、平成28年3月期、平成29年3月期は改正前の50%のみなし仕入れ率が適用されますが、平成26年10月1日に提出した場合には、平成28年3月期以降は改正後の40%のみなし仕入れ率が適用されます。
平成27年4月1日以降に新たに簡易課税制度の適用を受ける場合には、簡易課税制度選択届出書を平成26年9月30日までに提出することで、消費税の納付税額を軽減させることができます。幣事務所では、簡易課税制度を適用する場合の税額シュミレーション等も行っておりますので、担当の税理士、公認会計士に遠慮なくお声掛け下さい。
Column
ブラジルワールドカップにおいて、日本代表は残念ながらグループリーグ敗退してしまいました。今回は、サッカーにちなんで、キング・カズこと三浦和良選手の言葉をご紹介したいと思います。『お金をもらうからプロじゃない。どんなときでも手を抜かず、全力で戦うからプロなんだ。』三浦選手のプロ意識の高さを示す台詞ですが、これはサッカー選手に限らず、あらゆるジャンルにおいて同様のことが言えると思います。周りから、『さすがプロ』、といつまでも評価される三浦選手のような存在になれるよう真摯に仕事に取り組みたいものです。
TSK Information
◆所得税の予定納税額の減額申請をお忘れなく
所轄税務署から予定納税額を通知された方で、平成26年分の個人所得が前年に比べて明らかに少なくなると見込まれる方については、所得税の予定納税額を減額する申請を行うことができます。この手続きには申請できる期間(第1期分及び第2期分については平成26年7月1日から7月15日まで、第2期分のみ減額申請をする場合には、その年の11月1日から11月15日までに申請。)がありますので、適用を検討する方は早めに弊所担当者へご連絡いただくなど、申請を忘れることが無いように留意してください。