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TSKニュース&トピックス

平成27年1月上旬号

租税条約による源泉徴収の減免について

コーポーレート部門 古瀬 智啓

国内に住所がないか、現在まで引き続いて1年以上居所がないような非居住者や国内に本店や主たる事務所がないような外国法人が、日本において源泉徴収の対象となる報酬や給与等の支払を受ける場合には、「租税条約に関する届出書」を提出することによりその源泉徴収される所得税及び復興特別所得税について軽減又は免除を受けることができます。今月は国外取引に係る源泉徴収の減免手続きについてご紹介いたします。

1. 非居住者に対する課税及び源泉徴収の仕組みとは?

日本の税制において、非居住者等に対する課税の範囲は日本国内における所得に限ることとされており、課税の方法はその非居住者等が国内に支店や事業所などを有しているかどうかより異なります。課税の方法としては、申告納税方式と源泉徴収方式が採用されており、非居住者等についてはその人が国内に支店や事業所などを有する場合には、居住者と同様に申告納税方式を原則としていますが、その他の場合には、原則として源泉徴収のみで課税関係が完結する源泉徴収方式が基本となっています。そのため非居住者等に対して国内において源泉徴収の対象となる報酬等の支払をする場合には、その支払の際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収し、国に納付する義務があります。(納付期限は徴収した月の翌月10日)
 源泉徴収する金額の主なものとしては以下のようなものがあります。
(1)土地等の譲渡対価 ・・・ 10.21%
(2)利子等 ・・・ 15.315%
(3)人的役務の提供事業の対価・使用料等・給与その他人的役務の提供に対する報酬 ・・・ 20.42%

2. 届出書の提出により減免が可能に!

上記1の通り、日本の税制では支払をする者において支払時に源泉徴収する必要がありますが、源泉徴収制度は日本特有の制度のため非居住者等に対する国外取引の場合には、一つの所得に対して日本と外国との間で二重に課税とされる可能性がありえます。その国際的な二重課税を回避するために日本はアメリカ・イギリス・中国等の多数の国と「租税条約」を締結しています。その租税条約に基づいて、源泉徴収の対象となる所得の支払を受ける非居住者等が、日本において源泉徴収される所得税及び復興特別所得税について、「租税条約に関する届出書」を提出することによりその税額につき軽減又は免除を受けることができます。届出書は、所得の支払者である源泉徴収義務者ごとに正副2部作成し、最初にその所得の支払を受ける日の前日までに、支払者を経由して支払者の納税地の所轄税務署長に提出します。支払を受ける日の前日までに届出書を税務署長へ提出していない場合には、支払者が、その支払の際に源泉徴収をしますが、後日届出書とともに「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書」を、支払者を通じて支払者の所轄税務署長に提出することで、軽減又は免除の適用を受けた場合の源泉徴収税額と、既に源泉徴収された税額との差額について、還付を請求することができます。

3. 届出書の種類

この届出書は、その支払内容によって書式が異なり、その主なものは以下の通りです。
(1)配当に対する所得税及び復興特別所得税の軽減・免除(様式1)
(2)利子に対する所得税及び復興特別所得税の軽減・免除(様式2)
(3)使用料に対する所得税及び復興特別所得税の軽減・免除等(様式3)
非居住者との取引がある場合には注意が必要となりますのでご不明な点等につきましては、お気軽に担当税理士・会計士までお問い合わせください。

Column

新年明けましておめでとうございます。
2014年の世相を漢字一字で表す今年の漢字は、「税」となりました。消費税が5%から8%へ上がり、税について考えさせられた年であったということが理由ですが、2015年も法人税の大改正、相続税改正の適用開始と「税」について考えさせられる1年になりそうです。また、髙野総合グループにとっても、今年は創業40周年、税理士法人化5周年目を迎える節目の1年となります。気持ちを新たに「税」に向き合い、より一層皆様のお役に立てるよう業務に励みますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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◆新入社員 
この度、コーポレート部門に松田、目時、細谷が新戦力として加わりました。若さと活力に溢れた人物ですので、ご指導の程宜しくお願い申し上げます。