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TSKニュース&トピックス

平成27年5月上旬号

地方税の均等割、資本割の計算に注意

税理士 齋藤 竜立

平成27年度の税制改正で、地方税の均等割及び外形標準課税による事業税資本割の課税標準の計算が従前と変わる場合がありますので、今回のニュースではその概要についてご説明いたします。

1.外形標準課税対象法人の資本割の課税標準の改正

資本金が1億円超の外形標準課税対象法人の事業税では、改正前は事業税の資本割の課税標準は、法人税と同じ「資本金等の額」から無償増減資等の金額を調整した金額(A)で計算されていましたが、今年度の税制改正では、この従来からの(A)と資本金及び資本準備金の合計額(または出資金の額)とを比較し、いずれか大きい金額を課税標準とすることに変更されました。

2.地方税均等割の税率区分の判定基準となる資本金等の額の改正

地方税均等割の税率区分の判定では、改正前は法人税と同じ「資本金等の額」により判定することとされていましたが、改正後は、次の計算によって判定されることとなりました。

①調整後の資本金等の額0428.bmp

②資本金+資本準備金の合計額(または出資金の額)

  ①、②いずれか大きい金額で税率区分を判定する

3.この改正により影響があると考えられる法人

今回の地方税の改正では、例えば自己株式を取得している法人や、組織再編成により資本金等の額を減少している法人については、資本割の課税標準の増加や均等割の税率区分が上がり、税負担が増える可能性があります。一方、平成13年4月1日以降に無償減資等による欠損填補を行っている法人では均等割の税率区分が下がり、税負担が軽減される可能性があります。

4.適用年度

上記の改正は平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用されることになりますので、ご留意ください。

Column

相続税法の改正があり平成27年1月1日以降の相続税負担が重くなってきます。今後相続人間における遺産分割について益々、「争族」トラブルが発生するのではないかと懸念されます。そんな中、法務大臣の諮問機関である法制審議会において、被相続人(亡くなった人)の配偶者に対し、財産形成への貢献度に応じた遺産分割や高齢化の進展に伴う相続トラブル、例えば熟年再婚後の遺産分割について結婚後に夫婦で形成した「実質的夫婦共有財産」と結婚前から持っていた「固有財産」に遺産を分類した上で、夫婦共有財産については配偶者が相続する割合を増やし、固有財産については減らす仕組みを提示されています。今後、本格的な議論が始まりますのでこれら法制審議会の動きを注視したいものです。