平成28年9月 第 1号
中間決算時における平成28年度税制改正のポイント
税理士 西澤 季穂
3月決算の会社については、これから中間決算に向けて準備を行われるという方々が多いと思われます。そこで今回のTSKニュースでは、中間決算時における平成28年度税制改正のポイントとして、法人税の大きな改正点を改めて解説させて頂きます。
1. 法人税率の引き下げ
平成28年4月1日以降に開始する事業年度から、法人税率が23.4%(現行23.9%)に引き下げられます。また中小法人等の軽減税率の特例(所得金額のうち800万円以下の部分の税率が19%から15%に引き下げられる特例)については、引き続き適用が可能となっております。
※中小法人等とは、資本金の額が1億円以下の法人で、資本金の額が5億円以上の法人の100%子会社でない法人を言います。
2. 欠損金の控除限度割合の見直し
平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度において発生した欠損金については、繰越欠損金の適用金額が所得金額の100分の60相当額(現行100分の65相当額)までとされます。
また、中小法人等については、引き続き所得金額の100%まで控除することが認められておりますので、利用制限はありません。
3. 減価償却制度の見直し
平成28年4月1日以後に取得する「建物付属設備」と「構築物」の償却の方法について、「定率法」が廃止され、「定額法」のみとなりました。この改正にあわせ、既存の「建物付属設備」等に定率法を採用している法人では、償却方法を統一させるため償却方法を「定額法」に変更することも認められています。その場合は、税務署に「届出書」を提出する必要があります。
4. 実効税率の変更
法人税及び事業税の税率の改正により、実効税率が変更されております。
東京都の実効税率は下表の通りとなっております。
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