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TSKニュース&トピックス

平成28年10月 第3号

空き家に係る譲渡所得の特別控除について(3) ~分割譲渡の場合の譲渡価額の判定~

税務部門 税理士 内田智弘

今回の標記テーマは、TSKNEWS(平成28年6月発行第1号分)の追記として、空き家の分割譲渡の特例適用について事例によりご説明をいたします。    

特別控除の特例は、分割譲渡の譲渡価額合計額が1億円以下の場合に限定判定となる

本特例の要件の1つとして、「譲渡対価は1億円以下とする」譲渡価額要件があり、要件を満たす場合には、原則として譲渡益から3,000万円控除の適用がございます。例えば、本特例対象不動産の内、家屋を解体し、その更地を分筆後、2回以上に亘って分割譲渡した場合には、それぞれの譲渡対価で譲渡価額要件を判定するのではなく、合算した価額をもって判定することが、改正政省令(措法35 ③⑤⑥等)により明らかとなりました。

【事例による検証】

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譲渡価額の合計額 = 7,000万円(H28/7/1譲渡A部分) + 4,000万円(H30/5/1譲渡B部分)
 = 1億1,000万円 > 1億円 ⇒ 適用不可となります。

分割譲渡により合計額が1億円超となった時の手続き

A土地を譲渡した平成28年分の申告において本特例の適用を受けていた場合には、平成30年5月1日にB土地を譲渡したことによって1億円超となるため、平成30年のB土地を譲渡した日から4月を経過する日までに平成28年分の所得税修正申告書を提出し、かつ修正申告書提出により納付することとなった税額を納付しなければなりません。但し、この修正申告書は期限内申告として取り扱われます。

A土地を譲渡した平成28年分の申告においては、B土地が特例対象期間内に売却できない可能性もあるため、平成28年分の申告の際には、取敢えず本特例を適用して申告されることをお勧めします。

【終わりに】

今回のTSKNEWSを含めまして、これまでに寄稿させていただきました「空き家に係る譲渡所得の特別控除」制度は、今後も付随する関連要件等の公表が予想されますので、新たな取扱い等が公表された際には適宜ご説明してまいります。