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TSKニュース&トピックス

平成28年10月 第1号

定期同額給与について

税務部門 小松 朋生

法人が支給する給与は、役員に対して支給する役員給与、使用人に対して支給する使用人給与に区分されます。 役員は自ら給与支給額を決定できる立場にあることから、その取扱いについては、税務上詳細に規定されています。 今回のTSKニュースでは、役員給与の規定の内、「定期同額給与」についてご説明致します。

1. 定期同額給与の概要

定期同額給与とは、「1ヶ月以下の一定の期間ごとに、同額を支給する給与」をいいます。つまり、毎月(毎日、毎週でも構いません。)役員に対して支給する給与が同額だと定期同額給与に該当し、損金算入が認められます。
一方、非常勤役員に年俸を年2回に分けて支給するような場合は、1ヶ月以下の支給に該当しないため定期同額給与には該当しないことになります(別途規定が設けられており直ちに損金不算入ということではありません。)。

2. 定期同額給与の額を改定した場合

定期同額給与は「1ヶ月以下の一定の期間ごとに、同額を支給する給与」とご説明致しましたが、下記の図のように毎月同額でなくても定期同額給与に該当し損金算入されるケースがあります(3月決算法人の場合)。
 
0930.bmp
①通常改定
事業年度開始の日から3ヶ月を経過する日までの改定については認められています。今回のケースの場合、事業年度開始の日は4月1日ということになりますので、6月の定時株主総会で改定し7月の給与からの増額は認められることになります。
 
②臨時改定事由による改定
臨時改定事由とは、例えば役員が病気になり業務が行えなくなってしまった場合における改定等が挙げられます。なお、今回のケースでは減額改定ですが、社長の退任に伴い副社長が社長に就任する場合等の役職変更による増額改定も認められています。
 
③業績悪化事由による改定 
経営が著しく悪化したこと等のやむを得ない減額は認められています。なお、法人の一時的な資金繰りの都合や業績目標値に達しなかったことなどは業績悪化事由として認められません。 
 
 
 

Column

最近、新聞で「仮想通貨」という単語を目にする機会が増えてきました。電気料金の支払いを「仮想通貨」で行う事業者も出て来たようです。改正資金決済法により漸く、仮想通貨の交換業者の登録制や監査が義務化されました。現時点では、仮想通貨そのものを通貨と定める明確な規定はありません。そのため、企業会計上も現金としては取り扱わないと考えられます。実務上、取引の活発化に伴い、今後、会計と税務の取扱いが新たに整備されるかもしれません。