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TSKニュース&トピックス

平成28年11月 第1号

高額な資産の取得には注意が必要です

税務部門 税理士 吉澤 俊樹

法人や個人事業者が、消費税の納税義務者となるか否かの判定については、前々期(個人であれば前々年)の課税売上高が1,000万円を超える場合をはじめ、様々な規定があります。今回はその消費税の納税義務判定の一つで、平成28年度の税制改正において新たに設立された「高額特定資産を取得した場合における消費税の納税義務の免除の特例」の規定について、内容をご紹介いたします。

1. 制度の概要

消費税を納める義務がある法人や個人事業者が簡易課税の適用を受けない課税期間に、国内において、一の取引の単位の税抜価額が1,000万円を超える棚卸資産および固定資産(高額特定資産といいます。)の購入や自己建設を行った場合は、高額特定資産の購入等した課税期間から翌々課税期間までの3課税期間は消費税の納税義務が免除されず、簡易課税制度の適用もされないこととなります1101.bmp

 

・ケース①は、当期に高額特定資産の購入等はないので、翌課税期間以降は通常のように前々期の課税売上高の金額及び特定期間の課税売上高(又は給与等支払額)で判定します。前々期の課税売上高、及び特定期間の課税売上高(又は給与等の支払額)が1,000万円以下であれば消費税の納税義務はありません。

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・ケース②は、当期に高額特定資産の購入等があるので、翌課税期間以降は前々期の課税売上高及び特定期間の課税売上高(又は給与等の支払額)にかかわらず、消費税の納税義務があります。
 
※ケースは、ご紹介の制度をわかりやすくするため、原則判定と高額特定資産による判定以外は考慮していません。実際に納税義務があるか否かの判定は、他の規定も含めて検討する必要があるのでご注意ください。

2. 届出について

上記のケース②のように高額特定資産を取得したため、翌課税期間以降の消費税の納税義務があることとなる場合には、その旨を記載した届出書を高額特定資産の購入等をした後、速やかに提出する必要があります。

3. 適用開始時期

この規定は、平成28年4月1日以降に高額特定資産の購入等をする場合に適用されることとなります。

Column

早いもので今年も残り2ヶ月を切りました。例年通りであれば、年末には平成29年度税制改正大綱が公表される予定です。所得税では「配偶者控除」の見直しや廃止に関すること、法人税では研究開発税制の見直し、個人資産関連では事業承継税制の要件緩和や、タワーマンションに対する課税の見直しなどが報道されています。当事務所では、法人・個人のお客様に役立つ税務に関する情報をタイムリーにお知らせいたします。