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TSKニュース&トピックス

平成29年4月 第3号

大赤字なのに多額の税金の理由~会計と税務の相違点③~

公認会計士 シニアスタッフ 関場 靖人

平成29年3月発行第3号において、会計と税務の概念及び相違点の具体例として減損損失について解説しました。今回は、退職給付を例に両者の相違点をご紹介します。

【退職給付に係る会計・税務の取り扱いの概略】

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会計は、退職給付の性格を、労働の対価として支払われる賃金の後払いであると考え、勤務期間を通じた労働の提供に伴って発生するものと捉えています。

税務は、退職給付引当金の損金算入を認めていませんが、企業年金について、公的年金を補完する制度として普及・推進を図るため優遇的な措置をとっています。

 
設例1)退職一時金制度
①A氏は×1期首に入社。将来の退職給付のうち×1期に100、×2期に100が、各期の負担額として発生。
②A氏が×2期末に退職したため、×2期末に200の退職金を支払った。
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設例2)企業年金制度 (※ 数理計算上の差異は考慮していない)
①設例1と同じ。
②退職給付に充てるため企業年金基金へ、×1期に90、×2期に110拠出した。
③A氏は×2期末に退職した。
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<執筆者紹介>

関場 靖人 シニアスタッフ(公認会計士)

大手監査法人で国内監査業務に従事した後、高野総合会計事務所に入所。中小企業再生支援協議会への出向で、企業再生局面での金融機関の調整現場も経験。現在はFAS部門にて企業再生、M&A等のデューデリジェンス業務等に従事。