平成31年3月 第2号
~空き家に係る譲渡所得の特別控除の拡充・延長~
税務部門 個人資産部所属 税理士 奥山洋紀
2019年度税制改正大綱により現行制度に加え、空き家の発生を抑制するため相続により生じた空き家の譲渡に係る特別控除の特例措置が拡充・延長されます。
空き家に係る譲渡所得の特別控除の適用を受けるには、被相続人が相続の開始直前において居住していたことが必要でしたが、被相続人は相続開始の直前において老人ホーム等に入居していることが多く、これまでは本特例の適用を受ける事ができないケースがありました。今回の改正により老人ホーム等に入居していた場合(一定要件を満たした場合に限ります。)も対象に加わることとなりました。
1.現行制度
2.改正内容
現行制度の要件に加え、下記要件が拡充・延長される予定です。
3.まとめ
今回の改正により、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除について適用期間を4年間延長するとともに、被相続人の直前の居住要件が緩和され、老人ホーム等に入居していた場合も特例の対象となり、適用要件が拡充される予定です。(2019年4月1日以後の譲渡が対象です。)
※今回の税制措置は、今後の国会で関連税制法案の成立にあわせて、正式に決定される予定です。
<執筆者紹介>
税務部門 個人資産部所属 税理士 奥山洋紀
相続税申告のほか、相続対策や事業承継など、個人資産税業務に従事しています。