令和元年11月 第1号
中小事業者の軽減税率に係る税額計算の特例 (売上・仕入の税額計算の特例の併用)
TAX部門 大川 晃生
令和元年10月1日より消費税率が引き上げられており、軽減税率が適用される取引と通常の取引と分けて経理する(いわゆる区分経理)必要がございます。区分経理を行うための経理体制が整わないなどの事情がある中小事業者には、一定の期間区分経理を行わなくても消費税の納税額を計算することができる計算の特例について、既に9月第1号TSKニュース(売上税額の計算の特例)、10月第1号TSKニュース(仕入税額の計算の特例)にてご紹介致しましたが、今回は売上税額の計算の特例及び仕入税額の計算の特例を併用する場合についてご説明致します。
(1)対象事業者
基準期間における課税売上高が5,000万円以下であり、課税売上げ(税込み)及び課税仕入れ等(税込み)のいずれも税率の異なるごとに区分して合計することにつき困難な事情がある場合には、売上税額の計算の特例と仕入税額の計算の特例を併用することができます。なお、卸売業または小売業を営むかどうか等により、併用できる計算の特例が異なります。
(2)卸売業または小売業を営む中小事業者
次の①から④までのいずれかを選択して適用することができます。
小売等軽減売上割合の特例は、実際の課税仕入れを税率ごとに区分し、簡易課税制度はみなし仕入れ率により仕入税額を計算するものとなります。
(3)上記(2)以外の中小事業者
次の①または②を適用することができます。
<執筆者紹介>
TAX部門 / 大川 晃生
中小企業及び上場企業の関係会社を中心に決算業務、申告書の作成、税務相談業務に従事。
Column
台風19号による被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。