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TSKニュース&トピックス

令和2年10月第3号

コロナウイルス感染症の中小企業影響調査②

FAS部門 五明 聡史

世界的に流行している新型コロナウイルス感染症の影響により、現在においても厳しい経済状況が続いています。景気動向判断の参考資料として内閣府及び財務省の共管で実施・公表されている『法人企業景気予測調査』(以下:『予測調査』とします)をご紹介しながら、中小企業が感じている景気の動向や事業継続のための現状の取組を解説します。

①全国的な景気動向(2020/7-/9)

『予測調査』によると、中小企業における7月-9月の現状の景況は、▲25.8%と前回調査時の2020/4-/6と比較して+35.3%改善しています。また、将来の見立てに関しても、2020/10-/12、2021/1-/3はそれぞれ▲15%、▲10.8%と現状より改善していくと考えている会社が多いことがわかります。以上より、景況に関して中小企業ではコロナウイルスの影響による厳しさは依然として残っているものの、持ち直しの動きがみられつつあり、一方で、大企業・中堅企業と比べコロナウイルスの影響を受けている(と感じている)企業が多いと考えられます。1223.jpg

出典:内閣府『予測調査 令和2年7月-9月期調査結果』より抜粋、加工
【BSIの計算方法】前期(2020/4-6期)と比較して調査対象企業の景況がどのように変化したか「上昇」「下降」「不変」「不明」の4つの項目より選択し、「上昇」と回答した構成比から「下降」と回答した構成比を差し引いた数値を用いている
【企業規模区分】「大企業」資本金10億円以上の企業を対象、「中堅企業」資本金10億円未満、1億円以上の企業を対象、「中小企業」資本金1億円未満、1千万円以上の企業を対象

②コロナ禍における事業継続のための取り組み

今後もコロナウイルスの影響が続いていく前提での事業運営を想定する必要があります。その際の取り組みとして大企業及び中堅企業は最も重要度が高い項目として、「Web会議やテレワーク等の導入・拡充」や「フレックスタイム制等の勤務体制の見直し」などの働き手の環境改善に関する取組を回答しています。一方で、中小企業については「資金調達手段の確保、災害保険への加入」と回答した会社の割合が最も高く、現状の事業運営の継続に関する対応を迫られている会社が多いと考えられます。具体的な対応策として、顧問税理士、金融機関や保証協会の経営相談窓口等、経済産業省にて実施されている各種支援策の活用などが、今般の環境を乗り切る方法として挙げられるでしょう。

弊事務所には数多くの事業再生の経験がございますので、今後の経営についてお困り事などがございましたらぜひご相談ください。1023.jpg

出典:内閣府『予測調査 令和2年7月-9月期調査結果』より抜粋、加工
【集計方法】題意「大規模災害や感染症等による事業中断リスクに備えた取組」にて10項目の内3項目以内の複数回答によって集計(右数値は回答社数に対する構成比)

<執筆者紹介>

FAS部門 五明 聡史
大手監査法人にて地方金融機関の監査業務を経て髙野総合会計事務所に入所。現在は中小企業の事業再生業務、M&Aのデューデリジェンス業務に従事しています。