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TSKニュース&トピックス

令和2年11月第3号

コロナウイルス感染症の中小企業影響調査③

FAS部門 大月 潤一

世界的に感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症は、いまだ沈静化の兆しが見えず影響を及ぼしています。コロナ禍により倒産または事業継続を断念された企業数を調査した東京商工リサーチの「休廃業・解散企業」動向調査の結果を紹介しながら解説します。

①全国的な中小企業の倒産・休廃業・解散状況(2020/1-/8)

「休廃業・解散企業」動向調査の結果では、1月から8月の累計数が2019年は28,908件だったのに対し、2020年は35,816件となり、前年同時期に比べ25%増加しています。これに対し、中小企業の倒産件数は、東京商工リサーチの調査結果から、1月から8月までの累計数は2019年は5,470件、2020年は5,457件でほぼ横ばいの水準でした。
 昨年と異なり、今年はコロナウィルス感染症が経済・社会に大きく広範な負の影響を及ぼしていることから、コロナ禍が自主的な市場撤退の決断をさせた一因であることが考えられます。

②コロナの沈静化の兆しは見えない

日本において、2020年11月現在、感染者数が増加傾向にあり終息の兆しは見えず、海外では感染者数が大きく増加しており、再びロックダウンや緊急事態宣言の対応をとる国もあります。この状況から、ウィズコロナの状態が続き、経済の回復にはいまだ時間を要するとみられます。

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出典:東京商工リサーチ 2020年1-8月「休廃業・解散企業」動向調査(速報値)
東京商工リサーチが保有する企業データベースから、「休廃業・解散」が判明した企業を抽出した。「休廃業・解散」は、倒産(法的整理、私的整理)以外で事業活動を停止した企業と定義した。2020年の年間予測の休廃業・解散件数は、年間発生数が同率で増加すると仮定したもの。

③コロナ禍が継続する中での事業継続のための取り組み

ウィズコロナが継続することで経済への影響が今後本格的に表れてくるでしょう。中小企業は通常の営業活動に加え、コロナ対応でおこなった資金調達の返済が後々始まることや、公的機関の特別処置がいつ終わるのか、これらの影響を検討し対応もしなければなりません。さらに、事業継続に関する問題-事業の見通しや今後の事業のあり方、人手・後継者問題-を検討しなくてはなりません。 そのためには、自社の経営状況を把握し、顧問税理士や公的機関に設置された経営相談窓口に適宜相談し情報収集を行うことで、取りうる対応策がわかり適切な選択と行動が可能となるでしょう。

 弊事務所は数多くの事業再生の経験がございます。今後の経営についてお困り事などがございましたら是非ご相談ください。

<執筆者紹介>

FAS部門 大月 潤一

大手監査法人にてITシステムの内部統制評価の監査業務を経て髙野総合会計事務所に入所。現在は中小企業の事業再生業務、M&Aのデューデリジェンス業務に従事しています。