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TSKニュース&トピックス

令和2年12月第3号

コロナウイルス感染症の中小企業影響調査④

FAS部門 林 広桂

世界的に感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症(以下:コロナとする)は、いまだ沈静化の兆しが見えず様々な影響を及ぼしています。今回は「コロナウイルス感染症の中小企業影響調査」の第4回目として第3回において解説したコロナによる休廃業・解散企業の状況を踏まえたうえで中小企業の雇用状況について解説します。

①全国的な失業率の状況(2020/1-/9)

第3回において、コロナの影響により中小企業の倒産件数が前年同時期に比べ25%増加している状況についてお伝えしました。このように企業の倒産・廃業が増加している状況において、現在の雇用状況も大変厳しい状況となっています。総務省統計局による調査では、2019年において完全失業率が2.5%を下回る水準で推移していたにもかかわらず、2020年3月を境に2.5%を超え、9月までに3.0%を超える水準となっています。このように、コロナの影響により雇用状況にも影響が出ていることは言うまでもないでしょう。

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出典:労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)9月分結果
総務省統計局が公表している労働力調査(基本集計)をもとに抜粋・加工している。

②コロナ禍における人手不足の状況

日本・東京商工会議所による全国の中小企業6,007社に対する意識調査によると、2019年度及び2020年2月・3月において人手不足と感じている経営者が60%を超える状況でした。しかし、コロナの影響による景気の急速な悪化により2020年7月・8月においては36.4%となっております。コロナ前においては人手不足が叫ばれていたのに対し、コロナによる影響が拡大し急速に人手不足が解消している状況において、中小企業においても雇用が維持できなくなる企業が増えていくと考えられます。1222-2.jpg

出典:日本・商工会議所「人手不足の状況、アフター・コロナを見据えて推進すべき働き方に関する調査」の集計結果についてより抜粋・加工

③コロナ禍が継続する中での人員管理の重要性

終わりの見えないコロナとの闘いが今後も続く状況において、全国の中小企業における企業経営においてもより適切な人員管理を行っていく必要が求められています。たとえば、従業員の配置転換や残業時間の抑制・管理もその一つです。雇用を維持しながらコストの多くを占める人件費を削減するには、適時適切な人材の投入と社員一人一人のコスト意識を醸成させることが重要になっていくことでしょう。そのためには、自社の経営状況を把握し、顧問税理士や公的機関に設置された経営相談窓口に適宜相談し情報収集を行うことで、取りうる対応策がわかり適切な選択と行動が可能となるでしょう。

弊事務所は中小企業経営においてこれまで数多くの支援を行っており、豊富な経験とノウハウがあります。今後の経営についてお困り事などがございましたら是非ご相談ください。

<執筆者紹介>

FAS部門 林 広桂

大手監査法人にてIPO支援及び大手通信企業の監査業務を経て髙野総合会計事務所に入所。現在は中小企業の事業再生業務、M&Aのデューデリジェンス業務に従事しています。