中小企業活性化協議会の活動状況について
公認会計士 マネージャー 前田 俊
① 完了件数
再生計画策定支援の完了件数は、対前期比で微増(+50件)となり、前年度に続き1,000件超となりました。新型コロナ特例リスケジュール支援(特例リスケ)の出口を迎える会社が多く、案件数が増えているものと思われます。特例リスケの完了件数は、制度終了に伴い大幅に減少となりました(対前期比▲1,289件)。
② 金融支援手法の傾向
再生計画における金融支援手法はリスケジュール(金融機関による条件変更)が大半です。ただし、債務免除(第二会社方式)等の抜本的な支援手法の割合がやや増加しました。不透明な外部環境下でリスケジュールとなる計画もある一方、傷の深い会社への抜本的な支援の検討が少しずつ進んでいるものと思料されます。
(注)複数の手法を採用する会社があるため、合計100%を超過します。
③ 事業面での施策
管理会計手法導入による製品別・取引先別等の選択と集中が主たる施策となっていますが、割合は減少傾向にあります。他方、グループ再編等による不採算事業撤退や効率化の割合が前年度より増加しました。選択と集中を実行してもなお業績が改善できず撤退を選んだ会社や、コロナ禍からの業績回復が芳しくなく撤退を余儀なくされた会社などが出てきていると考えられます。
弊事務所は様々な金融支援手法、幅広い業種での再生支援実績を有しています。今後の事業の継続や業績改善、借入金の返済にお困りの際には、お気軽にご相談ください。
執筆者紹介
前田 俊 マネージャー(公認会計士)
監査法人で製造業、サービス業、社会福祉法人等の監査業務に従事した後、髙野総合会計事務所に入所。現在は、FAS部門にて企業再生、M&A等のデューデリジェンス業務等に従事。