先端設備等導入計画による税制支援措置の見直し
法人部門 シニア 税理士 村田 佳介
1.先端設備等導入計画による税制支援措置の見直し
中小企業者が生産性の向上を目的に設備投資をした場合、設備が所在する市区町村へ先端設備等導入計画の申請を行い認定を受けることで、固定資産税の軽減や金融支援を受けることができます。
2.改正のポイント
税制改正により「対象設備」、「課税標準の軽減割合」、「対象となる先端設備等の要件」が改正されました。また、適用期間も2年間延長され、令和7年3月末までの新規取得が対象となります。
※1 賃上げ方針の表明とは
従業員に対する給与等を、申請事業年度またはその翌事業年度において、申請事業年度の直前事業年度と比較して1.5%以上増加させる方針を従業員に表明することをいいます。また、先端設備等導入計画の新規申請を行う際、従業員へ賃上げ方針を表明した旨を申請書に記載(変更申請時の追加不可)するとともに、表明したことを証する書面の添付が必要になります。
3.申請手続きの留意点
改正により、申請書類として先端設備等に係る投資計画と認定経営革新等支援機関による確認書の提出が新たに求められるようになりました。先端設備等については計画申請の認定後に取得することが必須であるため、これまで以上に申請スケジュールに留意する必要があります。なお、弊事務所は認定経営革新等支援機関となっておりますので、確認手続きを行うことができます。申請をご検討の際には弊所担当者までぜひご相談ください。
執筆者紹介
法人部門 シニア 税理士 村田 佳介
上場企業の関係会社及び中小企業を中心に決算業務、申告書の作成、税務相談業務に従事するほか、雑誌への寄稿、税務デューデリジェンス業務などに携わっています。
Column
先日、国連事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」と警鐘を鳴らしました。今夏も世界各地で連日の猛暑に見舞われており、熱波や山火事など気候変動によるものと思われる災害も多発しています。現在の気候変動ほど急激なものではありませんが、過去の人類の歴史においても、例えばモンゴル帝国の隆盛と衰退の背景には温暖化と寒冷化があったと言われているとおり、気温の長期的シフトは国家や文明の盛衰に大きな影響を及ぼしています。現状、社会の様々なレベルで対策が取られてきてはいますが、企業や個人としては「生き残るのは変化に対応できるものである」というチャールズ・ダーウィンの言葉にある通り、変化を先取りしつつ柔軟に対応していくことが大切だと考えています。