「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の実態状況について
FAS部門 公認会計士 上田 大輔
①GLの実施件数について
・アンケート回答結果によれば、GLの運用開始から1年半(2022年4月~2023年9月)での手続き開始件数は145件です。内訳は再生型99件(68.3%)、廃業型46件(31.7%)となっており、廃業型の比率が高いものとなっております。一方で、GLと類似する手続である協議会の再生計画支援の完了件数(2022年度)が1,067件である点を考慮すると、GLの実施件数はまだ低いものと考えられます。
・地域別の件数の割合は関東33.0%、近畿32.0%と都市圏に集中しており、地方での認知度はまだ低いものと考えられます。
②GL案件に関する第三者専門家からのコメント
(出展:帝国データバンク2023年10月25日 特別企画:「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の実態調査)
GLは、従来の協議会スキームよりも「スピーディーな事業再生計画の策定が可能な点」や「廃業型に対応している点」がメリットとして挙げられますが、課題点として「地域によって認知度が十分ではない点」や「GLの担い手となる第三者支援専門家候補者が少ない点」が挙げられております。
弊事務所では第三者支援専門家候補者が5名おり、複数のGL案件の実績や全国各地(北海道~九州)での再生案件を多数こなしております。今後の業績改善や借入金の返済にお困りの際には、お気軽にご相談ください。
執筆者紹介
FAS部門 公認会計士 上田 大輔
大手監査法人にてリース業、不動産賃貸業、製造業等の国内監査業務に従事した後、髙野総合会計事務所に入所。現在は中小企業の事業再生業務やM&Aなどのデューデリジェンス業務に従事しています。